関西私鉄大手、阪急電鉄が春の行楽シーズンに合わせて、特別仕様の「雅洛(がらく)」を運行しています。ありがたいことに、乗車運賃のみで、特別料金や座席指定料金などは必要ありません。
阪急電鉄ホームページより引用
区間は梅田~河原町(京都)ですが、2019年3月26、27、28日と4月2、3、4日の6日間限定で西宮北口~嵐山への直通臨時列車を運行しました。
Google Mapより引用
阪急電車をよく利用される方はご承知かと思いますが、西宮北口駅は神戸線、嵐山駅は京都線なので通常は十三(じゅうそう)駅で乗り換える必要があるのですが、この臨時列車は乗り換え無しで神戸線→京都線へ移動できるのです。
その秘密についてもご紹介します。
臨時列車雅洛は6両編成で、1、6号車2、5号車3、4号車を各々セットに3種類の車両があります。
車内には障子窓や坪庭、畳敷の座席など「和」のテーストをふんだんに取り入れています。
始発西宮北口駅は09:51に3番ホームから発車します。30分前すでにホームにはこの臨時列車に乗車しようと乗客が列をなしていました。
西宮車庫を出た列車は9:30ごろ一旦ホームに止まりますが、まだ乗車はできません。何本かの通常ダイヤの列車をやり過ごすため、一度駅を通り越して引き込み線に入ります。
9:49ごろホームの列車案内表示が「直通特急嵐山」に変わります。(この表示はレアですよ!)
meil de-mile撮影
9:50臨時列車が再び3番ホームに入線してきます。阪急電車独特のマルーン色(あずき色)の車体には京都とれいん雅洛の塗装と和をモチーフにしたデザインが施されています。
meil de-mile撮影
乗客の注目はその車体一点に注がれ、長蛇の列がついに乗車開始です。
乗車すると真新しい扉付近スペースがあり、例のマルーン色に雅洛と書かれたのれんが下がり和食料亭に来た感覚を覚えます。
meil de-mile撮影
最初に乗り込んだ6号車(1号車も同様)はボックス席が並んだ車両です。家族や仲間で団欒と過ごすことができます。向かい合う人同士のシートピッチもゆったり。
阪急電鉄ホームページより引用
人が多すぎてボックス席の撮影はできませんでした。下の写真は窓と平行のシートのスペースです。つり革もシックな感じです。
mile de-mile撮影
次の5号車(2号車も同様)は窓と平行に畳敷のシートが配列され、ここに石や灯篭を配した坪庭があり、上にある丸窓が何とも京都といった感じです。
mile de-mile撮影
その丸窓から時折線路沿いの桜の木が見えると何とも風流です。
mile de-mile撮影
最後の4号車(3号車も同様)は窓と平行に2人または3人掛けの席ですが、窓向きに座れ、カウンターテーブル付きなので、ゆったりと車窓を楽しめます。
阪急電鉄ホームページより引用
車内では無料WiFiの設置や観光ガイドマップも置かれており、海外からの旅行者にも配慮がされています。
mile de-mile撮影
mile de-mile撮影
列車はこのまま十三駅2番線に入線します。ここで冒頭に述べた神戸線→京都線への乗り換えなしでのアクセスの秘密がわかります。
十三駅は神戸線の下りが1号線、上りが2号線、宝塚線下りが3号線、上りが4号線、京都線下りが5号線、上りが6号線と6本線路があるのですが、十三駅のホームを梅田方面に過ぎたところに引き込み線があり、9号線となっています。
手書きですみません。
mile de-mile作成
9号線でスイッチバックのため待機する雅洛
mile de-mile撮影
十三駅2号線を発車した列車は一旦9号線の引き込み線に入り、その後進行方向を変えて(スイッチバック)京都線の下り5号線に入って行きます。
mile de-mile撮影
このスイッチバックにより乗り換えをせずに神戸線→京都線に移行できるのです。
mile de-mile撮影
ちょっとマニアックな話になりましたが、これで嵐山へ向けて仕切り直して十三駅京都線下りホームを発車します。
終点の嵐山まで行きたかったのですが、時間の都合で残念ながら私はここ十三駅で下車しました。
この西宮北口〜嵐山までの直通臨時列車は2019年4月4日で一旦終了しますが、土日祝日ダイヤが適用される日は雅楽が梅田↔︎河原町(京都)を1日4往復行います。(従来からある京とれいんも4往復します)
阪急電鉄ホームページより引用
まさに桜の季節の今、阪急電車の京とれいん雅洛に乗って京都観光に出かけてみてはいかがでしょうか?